「入院費」を計算してみた【実体験】
最終更新日: 2022 年 1 月 12 日
閲覧数: 1318pv
市立病院と大学病院の「入院にかかる料金,費用」を 実体験を基に 計算したお話。診療報酬「点」を「円」で計算する方法は? ググった結果に騙されるな(注意) など。
前回『【実体験】5年続いたアレルギー性鼻炎が体質改善で治るまで・第4話』の記事はこちらから
こんにちは。運営局のAka(アカ)です ^^
こんにちは ^^
運営局のHana*(ハナ)です。
今回のコラムでは、わたし「Aka」の実体験コラム『5年続いたアレルギー性鼻炎が体質改善で治るまで・第五話 ~ 入院費』をお送りします。
それでは、早速はじめようか ^^
どうぞ気楽にご覧ください♪
【実体験】入院費 ~ 5年続いたアレルギー性鼻炎が体質改善で治るまで・第五話
今回は「入院にかかる費用」について 実体験を基にお話します
それじゃ、Aka。
前回までのあらすじを ^^了解 ^^
第四話では、入院に至る前日譚として街のかかりつけ病院でのエピソードをお話したわ。
街のかかりつけ病院の治療方針は、わたしには合わず、1年通院してもアレルギー性鼻炎の症状は改善されなかった。
そこで母の一存で、市内一の大病院に転院することに…。
と、ここまでが第四話だったかしら。
うん ^^
で、いよいよ「入院」となるんだね。
あたし、入院の経験が無いから知識欲として結構楽しみかも。
ありがとう ^^
コラム第二話でも書いたのだけれど、この連載コラム『5年続いたアレルギー性鼻炎が体質改善で治るまで』は、わたしのほんとうに個人的な実体験の回想だから、人様に公開するのは少し恐縮するというか…、気恥ずかしいというか…、複雑な心境ではあるのだけど。苦笑
わたしの実体験がアレルギー性鼻炎の人や、アレルギー性鼻炎の子供を持つ親御さんに、有用で役立つコラムとして届いてくれたら嬉しいから、頑張ってお話していくわね ^^
さて、「入院」の実体験のお話なんだけれど、何からはじめようか…。
Hana*の方から、入院について、聞いておきたいとか、確認しておきたい疑問とか、ある?
そうだねー。
とりあえず「入院費」かな。笑
いきなりそこ? 笑
ま、でも気になるよね ^^
入院費だけれど、入院した当時、わたしはまだ中学1年生か2年生だったから、正直いくらかかったのかはわからないの。
だから参考までに、2021年現在の入院費を調べてみたわ。
《参考》大学病院の 入院費(?)
まず、「東京医科大学病院」の1泊あたりの特別療養環境室(小声)の料金はこちらよ。
・一般病棟で6,600円~
・小児病棟で2,200円~
そして、入院中も生活スタイルを保ったり、より快適に過ごしたい患者さん向けの「特別病棟」は44,000円~
となっているわ。
- エビデンス,出典:東京医科大学病院の特別療養環境室料金表
・一般病棟(個室):
36,300円
・一般病棟(相部屋 4人床):
6,600円~8,800円
・小児病棟(個室):
6,600円~11,000円
・小児病棟(相部屋 2~4人床):
2,200円
・特別病棟(個室):
44,000円~132,000円
ふふふ ^^
因みに、アメニティセットのバス・フェイスタオルは今治タオルだから。笑
まあ、東京医科大学病院は「大学病院」だから、入院設備でも、革新的な取り組みをしているのよ。
因みに、「大学病院」と「市民病院(市中病院とも呼ぶ)」とには、方針から住み分けた違いがあるの。
大学病院はひらたくいえば、「地域一番の、先進で、高度な医療を提供し続ける病院」という方針ね。
文部科学省では、大学病院は次の3つの役割を果たす機関であるべきと定義づけされているわ。
・大学付属の病院として、医師の卵を育成する教育機関としての役割
・先端、先進医療技術の開発を行う、研究機関としての役割
・地域の中でリーダーシップを取り、高度医療の提供を推進する、地域医療の中核的機関としての役割
へー、大学病院ってすごいんだね…。
全然知らなかったよ。苦笑
先進・先端の医療に頼りたいときは、大学病院を調べてみると良さそうだね。
《前提知識》Q.市民病院の入院費を計算する方法は? → A.「入院基本料」+「差額病床料」で求める
そうね ^^
ただ、大学病院は人気があるから、病床がたくさんで入院待ちというケースも多いのが実情よ。
特に2021年は新型コロナウイルス(COVID-19)の影響もあったし…。
市内の病院で評判の良いところを調べておくのが賢明ね。
さて、そんな市内の病院「市民病院(市中病院とも呼ぶ)」の入院費なのだけれど、料金を紹介する前にちょっとした前提知識が必要だから解説させてね。
まず、病院の入院費は「入院基本料」+「差額病床料」から成り立っているわ。
「入院基本料」というのは、国(厚生労働省など)が決めている「医療機関一律の下限料金」と考えてもらえればわかりやすいわ。
そして「差額病床料(病院によって呼び名は色々あるのだけれど)」はいわゆる「オプション料金」のようなもの。
「差額病床」は、患者さんが任意で付加できるサービスで、内容としては、個室だったり、設備を追加したり充実させたりが代表的ね。
なるほど。
入院費のベースには、国が決めている「入院基本料」ってのがあるんだね。
てことはさ、どの病院で入院しても料金は一律同じってこと?
いいえ。そうでもないのよ。
ややこしい話なのだけれど「入院基本料」は、
・病院で扱う患者さんの重症度
・対応にあたる看護師さんの数
・入院患者へ行う介助の質
・診療科目
… などなど、様々な条件で変動するの。
それから、入院の日数でも変動するわ。
具体例でみていきましょうか。
- エビデンス,出典:令和2年度診療報酬改定 - 入院料(厚生労働省)
・一般病棟 入院基本料:
945 ~ 1,566点
・入院期間による加算:
14日以内の入院 450点
15日以上~30日以内の入院 192点
ちょっとまった!
全然わからないんだけど。笑
そもそも「点」って何?
あと「加算」って…。
料金の単位は「円」じゃないの?
《前提知識》Q.入院費を「円」で計算する方法は? → A.「診療報酬」を理解する
ふふふ ^^
ごめんね。
そう、まったくわからないわよね。苦笑
「入院」に限らず、医療関係の費用・料金を計算するときには、もうひとつ「診療報酬」という前提知識が必要となるの。
では、「診療報酬」はどういったものか?
日本医師会では次のように解説しているわ。
- 引用,出典:なるほど診療報酬!|日本医師会
日本では全国民に加入が義務付けられている公的医療保険制度があるため、病気やけがなどの際に保険証を提示すれば、誰でも必要な医療行為(診察、治療、処方など)を受けることができます。
医療機関に、その対価として支払われる費用は「診療報酬」と呼ばれ、厚生労働大臣が定めた医療行為1つひとつの点数を足し合わせて算出した金額となります。
そのうち、自己負担分(原則3割※年齢や所得に応じて異なる)は患者さんが、残りは加入している医療保険者が、医療機関に支払うことになります。
うーん…。
とりあえず、「わたしたち(患者側)が病院(医療機関)に払うもの」ってイメージはつかめるんだけど、これだけだとちょっとわかりにくいなー…。
Aka、解説してくれる?
了解 ^^
とはいえ…、「診療報酬」をしっかり解説しようとすると原稿がそれだけで終わっちゃいそうだし…。
ま、今回はそもそも「診療報酬で表された入院費が、実際にはどのくらいの料金負担となるのか?」についての理解が出来ればよいから、次の3つのポイントだけざっくりと解説するね ^^
1. 診療報酬は、10円を1点として表したもの
2. 診療報酬は、各医療行為の「料金」を国が決めたもの
3. 診療報酬は、公的医療保険適用前の点数
ひとつずつ解説していくわね。
まずポイント1つ目。
・診療報酬は、10円を1点として表したもの
病院で診察を受けた後に、明細書をもらうでしょ。
そこに金額とは別に「初診料 〇〇点」と書いてあるのを見た事はないかしら。
そういった「とある医療行為の料金を、点数で表記したもの」が「診療報酬」よ。
因みに、2021年11月現在では、1点を10円として計算するわ。
そして、この「1点=10円」という換算は日本の医療機関では一律同じよ。
次にポイント2つ目。
・診療報酬は、各医療行為の「料金」を国が決めたもの
「診療報酬」は原則2年に1度、厚生労働省をはじめとした政府機関が「各医療行為について何点」にするかを定めているわ。
「診療報酬」すなわち、各医療行為の「料金」を引き上げるか、引き下げるかの基準は大きくは次の2つ。
・国の予算(医療予算)と照らし合わせる
・国の状況と照らし合わせる
「国の状況と照らし合わせる」っていうのは、医学の進歩の度合い、先端医療の普及状況、経済状況、高齢化率、出生率、海外諸国の状況 …など多岐にわたるデータを参考にしているみたい。
また、「診療報酬」の中に「加算」という考え方があるのだけれど、これは「国が条件定義する医療活動」を行った場合に、病院側で「診療報酬」に上乗せ(加算)してもよい点数のこと。
代表的なものでは、看護師の数が基準を満たしている場合に適用できる「看護必要度加算」、時間外勤務で適用できる「時間外加算」などがあるわ。
最後にポイント3つ目。
・診療報酬は、公的医療保険適用前の点数
明細書や、各病院のホームページ、それから厚生労働省のエビデンスなどで表記されている「診療報酬」と「加算報酬」は、けんぽや国民健康保険などの公的医療保険の適用前の点数で原則表記されているわ。
例えば、入院基本料の診療報酬が1,566点だった場合、健常者の成人女性の公的医療保険の自己負担適用額は3割負担となるから、
「診療報酬:1,566点」
×
「1点=10円として換算」
×
「自己負担適用額:30%」
= 4,698円
が、実際に支払う金額となるわ。
以上。
1. 診療報酬は、10円を1点として表したもの
2. 診療報酬は、各医療行為の「料金」を国が決めたもの
3. 診療報酬は、公的医療保険適用前の点数
この3つのポイントを押さえておけば、少なくとも
「診療報酬で表された入院費が、実際にはどのくらいの料金負担となるのか?」については理解できると思うけど…どうかしら。
Aka、すごいよ!
超実践的だよ!
ポイントを絞って解説してくれたから、よくわかったよ。
少なくとも、「明細書」にある「診療報酬」や、病院のホームページにある「診療報酬表」を読み解いて、実際に支払う料金を概算できるようにはなったと思う ^^
いやー…これが情報を整理するということなんだね。
《実践》市立病院の 入院費を概算してみた → あれ? 大学病院の方が入院費が安い?
ありがとう ^^
今日は褒めてくるね。笑
まー…「診療報酬」はテーマとして色々と深くて…。
ちゃんと解説しようとすると、話題が尽きないのよ…。
だから今回は、とりあえず「診療報酬の点数を見て、実際に支払う料金を概算できるまで」を目標に絞ったわ。苦笑
間が長くなったけど、これを踏まえて、「市立病院の1泊あたりの入院費の例」をあらためて見てみましょうか。
- 市立病院の1泊あたりの入院費の例
・一般病棟 入院基本料:
945 ~ 1,566点
1点=10円として換算し、自己負担3割だと…
2,835円 ~ 4,698円
・入院期間による加算:
14日以内の入院 450点
15日以上~30日以内の入院 192点
1点=10円として換算し、自己負担3割だと…
14日以内の入院 1,350円
15日以上~30日以内の入院 576円
※別途、診察費、手術費、麻酔費、食事費などがかかります
おー!
わかりやすくなったよ。
市立病院の1泊あたりの入院費は、
「入院基本料」で2,835円 ~ 4,698円、
そこに上乗せで入院期間による「加算報酬」が、
1,350円~ かかるんだね。
つまり、総額で1泊4,500円くらい?
… あれ? 大学病院の方が安くない?
もう一度、大学病院の料金表って見れるかな?
- エビデンス,出典:東京医科大学病院の特別療養環境室料金表
・一般病棟(個室):
36,300円
・一般病棟(相部屋 4人床):
6,600円~8,800円
・小児病棟(個室):
6,600円~11,000円
・小児病棟(相部屋 2~4人床):
2,200円
・特別病棟(個室):
44,000円~132,000円
やっぱり!
小児病棟で2,200円てのがあるじゃない。
あれ…? んー… なんかおかしいぞ…。
そもそも、「診療報酬」は「点数」で表記しているんじゃなかったっけ…。
それに、この価格って「入院基本料」は含まれているのかな?
Hana*。気づいたわね ^^
そう、この「東京医科大学病院」の料金表は、「入院費」ではないの。
コラムの序盤で解説したけれど、入院費は「入院基本料」+「差額病床料」でなりたっているわ。
そしてその金額は、国が決める「診療報酬」によって「基本的には同じ点数(価格)」なのよ。
そして、原則、「診療報酬」は「点数」で表記されるべきものなの。
え!?
じゃあ、この「東京医科大学病院」の料金表は一体何なの?
あ、わかった!
「差額病床料」でしょ?
ハズレ ^^
この「東京医科大学病院」の料金表は「保険外」のオプショナルプランなのよ。
「保険外」という事は、公的医療保険も適用されないし、もちろん別途「入院基本料」+「差額病床料」が請求されるわ。
えー! なにそれー!
あ…でも、確かにこの料金表を見せる前に、小声でなんか言ってたな…。
それはこーゆーいたずらだったのね…。
《注意》「入院費 + 地域名」で ググった(ネット検索した)結果に 騙されないこと
ふふふ ^^
ちょっと意地悪だったわね。
でも、騙されるでしょ?
今日のコラムでお話した、
・「入院費」が「入院基本料」+「差額病床料」をベースとして、金額が(一応は)一律に定められていること
・それから、「診療報酬」は原則、「円」ではなく「点数」で表記されること
これを予備知識として持っていないと、病院のホームページとかで入院費を調べているときに、勘違いしてしまうことがあるの。
このいたずらでわたしが伝えたかったのは、その事よ。
実は、Googleで病院名や地域名に加えて「入院費」と検索すると、この「保険外」の料金表ページが出てくることがよくあるわ。
でもね、本当の入院費は国で定められた「診療報酬」で決まっていて、最低でも「入院基本料」がベースとして料金にかかってくるの。
だから、正しい「入院費」を把握するには、このコラムでHana*が学んだように「診療報酬」を理解する必要があるの。
Googleは便利で素晴らしいサービスだけれど、検索して提供された情報が、常に正しいとは思い込まないことね。
ほんとうに有用なのは、わたしたちそれぞれが、例えば今回の「診療報酬」のような、医療分野特有の専門的な概念であっても、わかりやすく、カジュアル(楽しく)に会得して、そして、GoogleやSNSで奔流する、玉石混交ある情報に「違和感」を持てるようになることなのだとわたしは思うわ。
うー…いいこといってるけどさー。
いたずらはほどほどにしてよねー。苦笑
ごめんね、Hana*。
貸しにしていいから。苦笑
もー、なにおごってもらおうかなー。笑
あ、もう時間(原稿)一杯だね。
それでは一旦、締めようか ^^
うん ^^
今回の第5話では「入院費」をメインにお話しました。
「アレルギー性鼻炎」とは正直、関連性が低いコラムなのだけれど、「体質改善」での入院を検討している方、それから、「入院費」についての疑問がある方にも、有用な情報として届いたら嬉しいです。
それでは、次回も気楽にご覧ください♪
本日も最後までご覧いただきありがとうございました ^^
続き『【実体験】5年続いたアレルギー性鼻炎が体質改善で治るまで・第6話』の記事はこちらから
スポンサーリンク