蓄膿症とは? 副鼻腔炎とは? 【違いを解説】
最終更新日: 2022 年 4 月 19 日
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「蓄膿症(ちくのうしょう)」の解説コラムです。慢性副鼻腔炎,症状と辛さ,鼻うがい,手術,食品で予防 などをお話しています。
みなさんこんにちは ^^
「街の名医ナビ」運営局です。
今回は「蓄膿症(ちくのうしょう)」についてお話しさせていただきます。
「慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)」とも呼ばれるこの症状ですが、
「いったいどんな病気なのか?」
「どこが、どういう風になる症状なのか?」
「どんな人が、いつなりやすいのか?」
といった疑問の解消から、
「違い・見分け方・症状・治し方」
「原因と予防、治療方法、検査の方法」
まで、出来るだけ丁寧に、わかりやすく解説していきます ^^
このコラムが「蓄膿症」「副鼻腔炎」に悩んでいる方の参考になりましたら幸いです。
それでは、さっそく解説していきます♪
【目次】
- 【どんな】「蓄膿症」とは、どんな病気?
- 【どこに】症状の出る場所(身体の器官)は?
- 【どのくらい】具体的な症状とその辛さは?
- 深刻レベル1.【初期段階(初期症状)】
- 深刻レベル2.【慢性化】
- 深刻レベル3.【重症化・合併症】
- 【治療法】蓄膿症・副鼻腔炎はどうしたら治るの?
- 症状が「初期」の場合
- 症状が「慢性化」の場合
- 症状が「重症化」の場合
- 【原因と予防】蓄膿症・副鼻腔炎にならないようにするには?
- 蓄膿症になる【原因】
- 蓄膿症の【予防方法】
- まとめ
「蓄膿症」とは、どんな病気?
「蓄膿症(ちくのうしょう)」はどんな病気なのでしょうか?
・身体の器官のどこに症状が出る?
・具体的な症状とその辛さは?
・初期症状から重症化までの特徴は?
これらの疑問について解説します。
症状の出る場所(身体の器官)は?
蓄膿症は「鼻の穴の奥底」に症状が出る病気です。
鼻の穴の奥底には、「眉間、目の下、頬骨の下、鼻の上」に、空洞の部屋が合計8つあり、そのどこかに炎症が発生し膿(うみ)が溜まります。
この、鼻の穴の奥底にある空洞の部屋を鼻腔(びくう)といいます。
具体的な症状とその辛さは?
蓄膿症になると、鼻に膿が溜まる事により次のような症状・身体への悪影響(辛さ)が出ます。
次の解説では運営局の意見を交え、「症状の深刻度」「身体への悪影響(辛さ)」をレビューしています。
レベルが高い場合には、耳鼻科での早めの受診をおすすめします (;´Д`)
深刻レベル1.【初期段階(初期症状)】
身体への悪影響(辛さ)度: ★★★☆☆
蓄膿症の「初期段階(初期症状)」です。
「鼻づまり」「嗅覚障害」「黄色い鼻水」が出ます。
鼻で息をするのがつらくなったり、鼻をかむと黄色い(淡のような粘度の)鼻水が出ます。
・鼻づまり
鼻は人が呼吸する為に大切な器官です。膿によって鼻がつまっていると、鼻呼吸ができず、口呼吸が多くなり息苦しくなります。
・においが良くわからない
嗅覚障害とも呼ばれます。
せっかくの美味しいお料理の匂いも感じにくくなります。
先の鼻づまりと相まって、蓄膿症でまず辛いのがこの「お食事を美味しく楽しむことができない」点でしょう…。
深刻レベル2.【慢性化】
身体への悪影響(辛さ)度: ★★★★☆
蓄膿症が「慢性化」した状態です。
鼻の中で炎症が進み、膿がたくさん溜まったり、鼻をかんでもかんでも黄色い膿が出てくるようになります。
初期症状が2~3カ月程度症状が続くと「慢性化」の可能性があります。
この慢性化状態の副鼻腔炎を「蓄膿症」、慢性化前の状態を「副鼻腔炎」と区別するお医者さんもいます。
慢性化すると、口呼吸がメインとなり「いびき」を掻くようにもなります。
良く寝られず睡眠不足になり、身体が回復に向かえず、炎症が再発し、慢性化… 。
という負のループに嵌ります。
もしご家族の方が鼻づまりが長くなり、「いびき」を掻きはじめたらどうか耳鼻科への受診を勧めてください。
また、一人暮らしなどで自分でいびきを掻いているかどうかわからない場合は「鼻づまりで、最近口呼吸が多くなった。それに睡眠不足だな…。よく眠れないな…」と感じたら、念のための受診をおすすめします。
深刻レベル3.【重症化・合併症】
身体への悪影響(辛さ)度: ★★★★★
蓄膿症が更に進むと、合併症として「のど」「顔面の神経」にまで悪い影響がおよびます。
「のど」へ合併症を起こすと、鼻の穴の空洞(鼻腔)から膿や鼻水があふれ、咽を鼻水が通過していくようになります。細菌などがのどに流れ混むので、咽が腫れたり(炎症)、淡(たん)が出るようになります。
それだけではありません。
「顔面の神経」にも悪い影響が出ます。
鼻の穴の空洞(鼻腔)は「眉間・目頭・頬骨の下」にまで及んでいます。
ということはつまり、顔面の奥で「膿と鼻水と炎症」が蓄積しているいう。こわい状況です。
ひどくなれば「顔面神経痛」として激痛を伴うことや、顎や歯の神経を圧迫(これもまた激痛)する事態まであります。
いわゆる「重症化」です。
ただちに耳鼻科の受診をおすすめします ( ・`ω・´)キリッ
【治療法】蓄膿症・副鼻腔炎はどうしたら治るの?
「初期症状・慢性化・重症化」、各症状の段階別に詳しく解説します。
症状が「初期」の場合
症状が初期の場合は、耳鼻科で処方される「抗菌薬」を服用します。
このおくすりには細菌の働きを減らす作用があり、服用を続けて通常2週間程度で完治します。
症状が「慢性化」の場合
症状が慢性化の場合には、抗菌薬に加えて「抗炎症薬」「去痰薬(きょたんやく)」を服用します。
「抗炎症薬」は、鼻腔で起きている炎症を抑えるおくすり。
「去痰薬」は、別名「たん切り」という呼称のおくすりで、膿を排出しやすくします。
豆知識「膿や痰(たん)」はどうして黄色いの?
そもそも、膿や痰(たん)は、細菌と戦った「白血球」の残骸です。
白血球には種類があり、中でも細菌を倒す専門の免疫(部隊)の事を「好中球」といいます。
この好中球は「黄色い色」をしており、細菌と戦うときには結集します。
この、「好中球の色と、細菌と戦う為に集まった結果」が「膿と痰(たん)」が黄色い理由です。
戦いが終わると、倒した細菌と共に、体外に排出されます。
症状が「重症化」の場合
「重症化」の手前までは、蓄膿症・副鼻腔炎の治療は、基本的に「おくすり」で治します。
ただ、顔面やのどにまで合併症が発生していて早期の対処が求められる場合や、体質などにより薬の効きが悪く、症状が改善されない場合には「鼻洗浄」や「手術」で膿を掻き出します。
鼻洗浄
鼻洗浄は、「鼻うがい」とも呼ばます。
洗浄液を鼻の穴の一方に注入し、鼻腔の膿や花粉、ハウスダストを洗い落とします。注入した洗浄液は鼻腔を通り抜け、口や注入していない方の鼻から排出されます。
最近では、耳鼻科にいかなくても自宅で手軽にできる「鼻うがいキット」もドラッグストアなどで価格1,000円程度から市販されており、花粉症やペットのアレルギー、ハウスダストなどで悩む方でも気軽に試せるようになっています。
手術
「内視鏡下副鼻腔手術」という術式が一般的です。
鼻の穴の中に内視鏡と手術道具を入れて、膿を掻きだしたり、膿の溜まる原因となっているポリープ(いぼ)が無いかを検査し取り除きます。
手術は日帰りでもでき、費用(料金)は1万円程度~が相場です。
※ 費用は、保険料3割負担の場合。別途診察料やおくすり代などがかかります
「内視鏡下副鼻腔手術」についての学術的な記事も紹介しておきます
【原因と予防】蓄膿症・副鼻腔炎にならないようにするには?
「蓄膿症・副鼻腔炎にならないようにするには、普段、どうすれば良いのでしょうか?」
蓄膿症になる原因と、その対策としての予防方法を端的に解説します。
蓄膿症になる【原因】
そもそも、蓄膿症になる原因は、
・風邪をひいて、鼻(の穴の中)が炎症を起こしてしまった
・蓄膿症、副鼻腔炎の初期症状が発生しているのに、そのまま放置して、慢性化してしまった
・バランスの悪い食事(主にビタミンB群の不足)
の3つです。
蓄膿症の【予防方法】
ですので、蓄膿症の予防として、
・日ごろから風邪をひかないように、バランスの良い食生活と、睡眠をしっかりとることが大切。
・風邪を引いた後に、鼻水が止まらない、淡が出るなど、蓄膿症・副鼻腔炎の初期症状を感じたら早めに耳鼻科を受診する。
・身体の免疫力を高める為、ビタミンB群、ミネラルが豊富な食品を食べる。
これらを心がけていきましょう。
豆知識「身体の免疫力を高める」食品ってどんな食べ物があるの?
ビタミンとミネラルが豊富な食品は、細菌と戦う細胞である白血球の活動の為にも良いとされています。
代表的な食品は、主菜で「玄米、雑穀米、麦芽」など。
副菜として「海藻、キノコ、緑黄色野菜、小魚、豚肉」など。
調味料その他として「味噌、納豆、チーズ、ヨーグルトなどの発酵食品」が、身体の免疫力を高める食品として良いとされています。
まとめ
いかがでしたでしょうか ^^
今回のお役立ちコラムでは『蓄膿症とは?わかりやすく解説』と題し、「蓄膿症の事を知りたいんだけれど、インターネットで出てくる情報は、学術的な記事や専門用語多めの文章で、いまいち良くわからない」という読者の方を対象に、既存の情報から角度や視点を変えて、難しい言葉や専門用語は、出来るだけ使わず、冗長で不要な説明は端折り、シンプルに、カジュアルに、わかりやすく「蓄膿症・副鼻腔炎」についてお話させていただきました。
このコラムが「蓄膿症」「副鼻腔炎」に悩んでいる方の参考になりましたら幸いです♪
本日も最後までご覧いただきありがとうございました ^^
【専門用語なし】蓄膿症とは?わかりやすく解説【副鼻腔炎との違いや合併症も】の目次はこちらです
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