かわいくない鼻の病気【鼻ポリープ・鼻茸】とは?
最終更新日: 2022 年 4 月 19 日
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みなさんこんにちは ^^
「街の名医ナビ」運営局です。
今回は「鼻ポリープ(はなぽりーぷ)」についてお話しさせていただきます。
「鼻ポリープって、何? 聞いたことないや」
「どこが、どういう風になる症状なの?」
「どんな人が、いつなりやすいの?」
といった疑問の解消から、「原因、予防、治療、検査」まで、出来るだけ丁寧に、詳しく解説していきます ^^
「鼻ポリープ」とは、どんな病気?
「鼻ポリープ(はなぽりーぷ)」はどんな病気なのでしょうか?
- 【どこが?】症状が出るのは、身体のどの器官?
- 【どのように?】具体的な症状とその辛さは?
- 【どれくらい?】初期症状から重症化までの特徴は?
これらの疑問を中心に解説します。
症状が出るのは、身体のどの器官?
鼻ポリープは「鼻の内側の粘膜にポリープ(肉腫)」ができる病気です。
ポリープの形状が「茸(きのこ)」のように見える為「鼻茸(はなきのこ)」「鼻茸(はなだけ)」とも呼称されます。
ちょっと可愛らしい名前ですが、実際の「鼻茸」の写真はこちらです。
※少しこわい写真なので、苦手な方はご注意ください
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そう。まったく可愛くありません。
※引用元の写真は白黒でなくカラーで、ぼかしも入っていないのですが、苦手な方もいらっしゃると思いますので、当コラムでは配慮しています
鼻ポリープ(鼻茸)は、大きくなると(写真のように)鼻の穴の中目いっぱいに広がります。
これだけポリープが大きくなると、「鼻づまり」レベルから「鼻呼吸ができない」まで、身体に深刻な悪影響を及ぼします。
かわいい名前のくせに、実態はこわい病気、それが鼻ポリープ(鼻茸)です。
【豆知識】そもそも、「ポリープ」って何?
豆知識となりますが、そもそも「ポリープ」って何のことだかご存知でしょうか。
端的に解説すると、「できもの」や「いぼ」など「肉が盛り上がった形」を総称して示す医学用語です。
身体の組織では「胃」や「大腸」で発生しやすく、発生した場所によって「胃ポリープ」「大腸ポリープ」などと呼ばれます。
胃ポリープ、大腸ポリープの検査から「がん」などの重要な病気が見つかることもあるので、なんとなく「ポリープ」そのものがこわいものと認識している読者の方もいらっしゃるのではないでしょうか(; ・`д・´)
このコラムで扱う鼻ポリープの「ポリープ」は、「いぼ」「できもの」とカジュアルに理解いただいて大丈夫です。
「ポリープ」と「腫瘍」の違いについて
ところで、「ポリープ」と混同されがちな言葉で「腫瘍」がありますが、腫瘍とポリープは、それぞれの単語の指し示す意味合いから異なります。
腫瘍は、「できもの」が「何の細胞(組織)で構成されているかを論じるとき」に使い、例えば「この腫瘍は、過剰に増殖する個性をもった細胞群から構成されている」「この腫瘍と思われる患部の構成を調べてくれ」などといった使い方をします。
対して、ポリープは「肉が隆起(盛り上がった)ありさま」を示し、「胃に、大きい、肉が盛り上がったできものがある」と「胃に、大きいポリープがある」は同じ意味です。
このように、「ポリープ」と「腫瘍」の違いは、その単語の指し示す意味合いから異なることがわかると、次のような「ポリープ」と「腫瘍」を同時に扱った文脈も理解できるようになります。
「胃に、大きいポリープが見られる。切除が必要な腫瘍かどうか細胞(の構成)を検査しよう」
いかがでしょうか?
ポリープと腫瘍の言葉の違いがわかっていないと「え? ポリープなの? 腫瘍なの?」と混乱しそうな文脈ではないでしょうか(;´∀`)
こういう独特な「医学的」っぽい表現や文脈、言葉の違いも、当コラムで機会に応じて解説していきますので、どうぞ楽しみにしていてください ^^
さて、閑話休題です。
「鼻ポリープ」の話に戻りましょう。
鼻ポリープの【具体的な症状と辛さ】は?
鼻ポリープになると、次のような症状・身体への悪影響(辛さ)が出ます。
次の解説ではいつものように運営局の意見を交え、「症状の深刻度」「身体への悪影響(辛さ)」をレビューしています。
※★レベルが高い場合には、耳鼻科での早めの受診をおすすめします (;´Д`)
深刻レベル1.【初期段階(初期症状)】
身体への悪影響(辛さ)度: ★★★★☆
鼻ポリープの「初期段階(初期症状)」は、まず「慢性副鼻腔炎(蓄膿症)」から始まります。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)については、こちらのコラムで詳しく解説しておりますので、ご覧いただたら幸いです ^^
【専門用語なし】蓄膿症とは? わかりやすく解説【副鼻腔炎との違いや合併症も】
既に副鼻腔炎が慢性化しているため、身体への悪影響は ★★★★☆の「医師の治療と診断ができるだけ早く必要」なレベルです。
症状として、鼻の中の粘膜に「白いポリープ」ができ「鼻づまり」「匂いがわかりにくい」「鼻呼吸の困難」「呼吸が困難になる事で、いびき、睡眠障害」などが起こります。
鼻ポリープは、鼻の中の粘膜に複数発生することもあり、大きさも様々あります。
コラムの冒頭に掲載した鼻ポリープの写真のように、鼻の穴をめくれば目視で確認できる位置に発生するポリープが多いですが、中にはめくっても確認できない鼻の奥の方で発生する(隠れ)鼻ポリープもあります。
隠れ鼻ポリープが発生しているかは、耳鼻科などの医療機関でないと確認ができない為、「鼻づまり」「匂いがわかりにくい」「鼻呼吸の困難」「呼吸が困難になる事で、いびき、睡眠障害」などの症状が2カ月以上続いているようであれば、どうか早めに耳鼻科を受診するのがおすすめです。
深刻レベル2.【慢性化】
身体への悪影響(辛さ)度: ★★★★☆
鼻ポリープは、「慢性副鼻腔炎(蓄膿症)」の延長として起こる事が多い病気です。
ですので、鼻ポリープに気づいたときには既に蓄膿症など何らかの鼻の疾患が「慢性化」している可能性があります。
慢性化した病気は、初期の段階よりも何倍も治療に(時間も費用も)かかる場合が多いといわれています。
可能であれば、慢性化する前に治療してしまうのが一番です。
深刻レベル3.【重症化】
身体への悪影響(辛さ)度: ★★★★★
「鼻ポリープ」と「慢性副鼻腔炎(蓄膿症)」の慢性化を更に放置して「重症化」すると、鼻ポリープは膿(う)んでどんどん大きくなります。
鼻ポリープが鼻の気道をふさぎ、呼吸はもとより鼻水も通らなくなるので、(鼻とつながっている)のどに鼻水と膿が流れていきます。
鼻ポリープは、治療を始めれば「飲み薬」で日常生活に支障がないほどに小さくすることができます。
ただ、薬で小さくする場合は2~3週間程度の時間が必要となります。
気道がふさがって、呼吸が相当に困難になってしまったなど、急を要する場合には、手術で鼻ポリープの切除を行います。
鼻ポリープの切除手術は、日帰りで行え、手術時間は30分程度が一般的です。
費用は保険適用3割負担で、両鼻 7,000円~1万円程度が相場です。
※手術費用の他、診察料・お薬代などが別途発生します。
参考までに「鼻ポリープの切除手術」の専門的・学術的な記事を紹介しておきます
【治療法】鼻ポリープはどうしたら治るの?
鼻ポリープは「慢性副鼻腔炎(蓄膿症)」の疾患の延長として発生する事が多いので、「鼻ポリープの治療」と「慢性副鼻腔炎の治療」は、ほぼイコールです。
次のような方法で鼻ポリープを治療します。
- 炎症を抑えるお薬の服用
- 患部へ、抗菌と抗炎症作用のある薬(点鼻薬)を噴霧、塗布
- 鼻洗浄(はなうがい)
- (場合により)鼻ポリープの切除手術
【原因と予防】鼻ポリープに罹らないようにするには?
鼻ポリープに罹らない(発生しない)ようにするには、どうすればよいのでしょうか。
鼻ポリープの原因と、その対策としての予防方法を端的に解説します。
鼻ポリープになる【原因】
鼻ポリープの原因は、鼻の粘膜での「炎症」です。
加えて「炎症を起こした個所に、細胞の残骸や水分が溜まっていく」ことで、白い茸状の「できもの(ポリープ)」が発生します。
鼻ポリープの【予防】
鼻ポリープは、鼻の炎症が原因で、加えて、1~2カ月など長いこと炎症がおさまらないでいる間に、細胞や水分などの老廃物が溜まり、ポリープとして発現する病気です。
ですので、予防は以下のような方法になります。
- 風邪をひいた後に「鼻水、くしゃみ、鼻づまり」などの症状が1~2カ月続く場合は、副鼻腔炎の疑いがある為、耳鼻科を受診する
- 鼻毛カッターやトリマーなどを用いて、鼻の穴の中を手入れする場合には、鼻の粘膜を傷つけないように十分注意する
- 日ごろから、栄養バランスのとれた食事と、睡眠を十分にとり、免疫力を高めておく(炎症の原因となる細菌やウイルスから身体を守る)
これらを心がけていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか ^^
今回のお役立ちコラムでは『鼻ポリープについてわかりやすく解説』をテーマに、「鼻ポリープの事を知りたいんだけれど、世の中の情報は、学術的な記事や専門用語多めの文章で、いまいち良くわからない」という方を対象に、角度や視点を変えて、難しい言葉や専門用語は、出来るだけ使わず、シンプルに、カジュアルに、わかりやすく「鼻ポリープ・鼻茸」についてお話させていただきました ^^
本日も最後までご覧いただきありがとうございました ^^
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